今回は仕上がり部分に関する細かな手直し工事をご紹介します。
塗装工事を行って壁や天井をきれいにしても、意外と目立つのが細かな部分の仕上がりです。
工事の目的である、修繕や改良が達成できたとしても、細かな部分での最終的な仕上がりが美しくないと、大規模修繕工事を実施した実感が沸いてきませんし、住民からはクレームが付いたりします。
大規模修繕工事は、構造躯体を建築する新築工事とは違って、既に存在する躯体の修繕や化粧直しが主体となります。
ですから、仕上がりの状態が全てといっても過言ではありません。
私の大規模修繕工事の先生で、この種の工事を何十年も監理している先輩が言うには、「最近の職人さんは塗装工事の際のマスキングが下手で、結局は後で手直しする時間がとてもかかっている。」と嘆いています。
マスキングの上手・下手の問題もあると思いますが、工事中の床や壁をむやみに汚さないように配慮することも重要なポイントだと思いました。
仕上がりがきれいか汚いかは、建築の知識がない人でももちろん分かります。
でも、なかなか業者さんに言いにくいこともあり又、どの程度まで要求してよいものか不安になったりします。
重松マンション管理士事務所が大規模修繕工事のサポートをする場合は、この当りの仕上がりに関することも、工事業者や設計事務所にきちんと話をします。
なぜなら、設計事務所も現場監督もプロですが、長い時間現場にいると慣れのあまり、小さな不具合などはつい見逃してしまう場合もあるからです。
工事の様子
▲これは、内壁についたシール材の汚れ。
たぶん子供が乾く前のシール材に触った後、壁にこすり付けたのではないかと思います。
▲この場合は、溶剤を使用して簡単に落ちました。
▲これは、扉の枠の塗装の剥がれです。
最終の仕上げ前に気がつきましたが、扉と枠が直接当たっているので、何回塗ってもいずれはこのような状態になります。
▲最終仕上げの後に、小さな戸当りパッキンをつけて、扉と枠が直接ぶつからないようにしました。
▲新しく塗装した壁面ですが、赤いテープを張ってある箇所は、設計事務所の検査で不具合指摘を受けた箇所です。
写真では分かりにくいのですが、塗膜が完全に塗られておらず、一部に下地が見えている箇所がありました。
▲これも再施工できれいになりました。
▲これは、タイル面と塗装面の取り合い箇所の仕上げ不良です。
マスキングが不完全だったので、塗装材料がタイルの目地に入り込んでしまいました。
見た目が非常にみっともなく見えます。
▲目地に入り込んだ塗料を落とすのは結構大変だったようですが、きれいに仕上がりました。
場合によっては、目地の塗りなおしをして対応することもあります。
▲これは、床面に落ちた塗装材料の汚れです。
床面の養生をきちんとしておけば防げた不具合です。
▲下地が塩ビシートなので、溶剤を使用することができず、根気よく手作業で汚れを落とすことになりましたが、きれいになりました。
▲これも、典型的な取り合い箇所の不具合です。
▲時間をかけてなんとかきれいになりました。