4-7.定例会議

今回はちょっと中休みをして工事の紹介ではなく、工事中の定例会議についてご紹介します。


定例会議には、2通りあり、普通の「定例会議」と、「総合定例」があります。
「定例会議」は、「工程会議」ともいい、毎週1回を目安として工事業者と設計の監理者が主体で実施されます。もちろん管理組合の人が出席してもかまいません。
打ち合わせの主な内容は、、、

  • 前回の議事録の確認
  • 工程の進捗状況の報告及び来週の作業予定
  • 工事業者からの提出書類の確認と内容の説明
  • 工事に関する問題点の報告及びその対処方法の検討
  • 管理組合側への申し入れやお願い事項の確認・検討
  • その他、近隣や住民からの要望・苦情への対応検討

等です。

「総合定例」は、上記に管理組合を加えて月1回を目安として実施されます。
「三者(管理組合、設計事務所、工事業者)定例」という言い方をすることもあります。

総合定例では、上記の定例会議の内容と重複することも話し合ったりしますが、大きな違いは管理組合側が決定しなければならないことを審議することです。
工事代金の支払いと直接関係する出来高の査定は、工事業者が「出来高調書(進捗表)」を提出し、設計事務所が査定して決定しますので比較的合理的に決定されます。
しかし、なかなか機械的に決定できない事項も結構出てきます。

そして典型的なものは「色決め」です。
専門家が一般的な色彩コーディネートなどの紹介は行うことができても、最終的に決定するのは管理組合となります。
又、色に関しては個人の好みが強く出る部分でもあるので、理事会や委員会だけで決定することはしないで、居住者アンケートを実施して決定したりすることもあります。

その他、追加変更工事の承認や、契約段階では決まっていなかった細かな仕様やメーカーを決定したりする必要も出てきます。
このような決め事が簡単に決まらないのが、管理組合の特性といえますが、決めるべき事項をきちんと決定していかないと、関連する工事の進行が遅れたり、製作品の納期が遅れたりしますので工事全体に影響を及ぼすことになります。

ですから、大規模修繕工事における定例会議はとても重要な役割となります。

今回の工事は、自宅のマンションなので、重松マンション管理士事務所はなるべく係わらないようにしていますが、私の顧問先のマンションでは総合定例に出席することはもちろんですが、毎週の工程会議にもなるべく出席して、工事の進捗状況を把握したうえで逐一理事会や委員会に報告することにしています。

管理組合にとってなかなか分かりにくい建設用語を分かりやすく解説したり、理解しにくい建設業界の契約形態や商慣習を説明したりしながら「管理組合への通訳」的な業務を行います。
又、重松マンション管理士事務所が大規模修繕工事に係わることによって、工事業者や設計事務所も本来の自分たちの専門分野に集中できるので業務が大変やりやすくなります。

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▲これは総合定例の風景
この日は修繕委員長と理事長も出席されて進捗状況の確認のほか、タイルや塗装の色を決定していきました。