5-2.竣工図書の確認作業

竣工検査の時に残っていた工事(いわゆる「残工事」)も全て終了し、最後の作業を残すのみとなりました。
今回は、このシリーズの最終章として竣工図書の確認及び引渡しに関するご紹介です。


竣工図書の提出に関しては、予め工事仕様書にその内容が記載されていますので、仕様書に基づき確認することになりますが、特に注意するべき重要な書類が何点かあります。

私が、一番重要視している書類は「保証書」です。

工事の種類によって、15年、10年、7年、5年、3年、2年、1年などさまざまですがいずれも引渡し後に不具合が発生したら、きちんと対応してもらう必要があります。その時の証拠書類として「保証書」は大変重要な書類といえます。

一般的には、元請業者・工事業者・材料メーカーの連名で提出されることが多く、保証内容や適用除外項目などが細かく記載されています。
その他、契約(特に金額の推移)に関する書類の整備も重要です。
多くの工事の場合、最初の契約金額は、増減精算、追加・変更工事などが加わり最終的に変わっていくからです。
あとで見た場合に、その経過などが誰でも分かるようにしておいたほうが、次回の大規模修繕工事を行う際に大変役に立ちます。

図書検査確認の様子

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▲確認作業は、設計事務所立会いのもと、私のマンション管理士事務所を提供して行いました。
事前に作成していたリストに基づき、1点ずつ確認していきます。
上記でご紹介した書類のほかには、「工程表」「下請け業者一覧表」「出荷証明書」「使用材料報告書」「下地補修図」「検査報告書」「アンケート集計表」「居住者問い合わせ等一覧表」「工事日報」「監理日報」「配布チラシ等」など、どれをとっても重要な書類ばかりです。

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▲私の業務は、契約どおりの竣工図書が整備されていることかどうかの確認です。
管理組合が、後になって見た場合に分かりやすく整理されているかなどを注意して確認し、必要に応じて再整備してもらうように指示をします。
前記のとおり、金額と仕様の変化がきちんと分かることや、工事に対する保証内容がきちんと記載されていることなどをチェックしています。

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▲ほとんどの場合、ファイル2冊で納まるようです。
今回は、作成した資料の内、可能なものについては電子ファイルにして保管することにしました。
これで、自宅マンションの事例を基にした「大規模修繕工事の進め方」は終了します。

これから大規模修繕工事を検討されていらっしゃる方たちに、少しはお役に立ったのであれば幸いです。
長い間、見ていただきありがとうございました。