3-3.施工会社の決定

いよいよプレゼンテーションの実施です。

前回ご報告したとおり、見積金額が安い方から3社を選定し、日時を指定して行いました。
集会室の無い私のマンションの場合は、近所の公民館を予約して行います。

なるべく多くの居住者が参加できるように日曜日の午後を選んで、理事会主催で行いましたが、工事着工前の「住民説明会」と違って、プレゼンテーションは重要なことではありますが、どうしても内容が硬くなるので一般の居住者にはなじみが薄いようです。
出席は圧倒的に理事や修繕委員となってしまいました。

私のマンション管理士事務所も日曜日は客先の理事会等で忙しいのですが、この日はたまたま都合が付いたので参加することとなりました。(でも私はなるべく黙っているよう心がけています。)

施工会社選定(内定)のためのプレゼンテーションのやり方にはいろいろありますが、実施していただく業者数は一般的には3社〜4社が多いのではないかと思います。
普通は、金額の安い方から何社!ということが多いと思いますが、金額が接近している時や、事前の調査で信用力や実績が高く評価されていた会社などがそこそこの見積金額を提示した場合は、それらの会社にもプレゼンテーションを要請することもありますので、会社数が多くなることもあります。

プレゼンテーションは、会社案内から始まり、会社概要、この工事に対する取組姿勢の説明などがあり、そしてその後に、出席した理事や組合員等から、見積内容や工事に関する質問を行い回答してもらいます。
また場合によっては、最後に「最終提示価格」を出してもらうこともあります。
そうすると、どうしても1社当たり1時間半程度はかかります。
途中の休憩等をはさんだら3社でも5時間程度となり、組合員等の負担も考え、1日で終了させようと思うとやはり上記程度の数が適当ということになります。
ですから、プレゼンテーションを依頼する会社の数を増やす場合は、会社案内などは資料の提出だけにしてもらい、説明は特に重要なポイントに絞ってお願いし、1時間/1社を目安に行うこともあります。
会社概要は読めば分かりますからね。。。

プレゼンテーションの様子とポイント

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▲当日プレゼンテーションを依頼した3社の配布資料です。どの会社も、資料の内容には大差ありませんでした。
「挨拶と会社概要」
「現場代理人予定者経歴書」
「工事・品質管理体制図」
「アフターサービス体制と保証期間等」
「周辺の居住状況と安全管理体制」
「仮設計画について」「概略工程表」
「バルコニー等の使用制限の説明」
「安全・環境・防災対策」
「工事中の広報等」「緊急時連絡先」など工事に関する全てのことが約20頁の資料の中に盛り込まれています。

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▲プレゼンテーションには、下記の理由から、受注した場合の現場監督予定者の同席をお願いして行います。

マンションの大規模修繕工事は、居住者が生活しながら工事が進んでいきますので、工事の成功には居住者の協力が不可欠です。
そして、そのためには現場監督と居住者のコミュニケーションがうまく取れないと工事は成功しませんので、現場監督の力量は工事の成否に大きく影響します。
また、私たち一般の居住者(特に主婦)は、建築に関しては全くの素人が多いのでその中で、居住者に親切に対応してくれる現場監督が必要となります。ここが新築の工事と大きく違うところです。

ですから、現場監督予定者の話し方や人柄を判断して「この人が良さそう!」というのも意外と大きな選定材料となります。
今回のプレゼンテーションの司会は、工事監理を行う設計事務所に担当してもらいました。

設計事務所からの質問に関しては、私も事前に内容を打ち合わせしておきます。
私や設計事務所がおこなう質問は、一般居住者の質問事項とは当然に異なりますが、、、
・仕様書や、見積書からはなかなか読み取りにくい「共通仮設」の、内訳の確認(特に安全対策や廃棄物処理)
・工事管理や検査に関する体制の確認、設計事務所との役割分担の確認
・実数精算工事項目の、精算方法の確認
・他社と比較して異常に安い、又は高い工事項目の内容確認
など、プレゼンテーション資料には書いていない部分です。

施工会社の決定

3社のプレゼンテーションが終了したのち、各社から提出を受けた最終見積金額の入った封筒を開封して、修繕委員会と理事会で協議しました。
最終判断は、理事会で行いますが、私のマンションの工事内容に対する理解度や、事前の下見の状況、そして最終価格から判断し、1社に内定しました。
管理組合が予定していた金額内に十分に納まり、また、設計価格の70%以下で発注することが可能となり、修繕委員会はほっとしています。

次は、臨時総会を経ていよいよ発注手続に入ります。