1-9.施工会社(施工業者)の選び方

このページでは、施工会社(施工業者)を選定する際の一般的な注意事項を説明しました。

実績

新築工事とは勝手が違う

  • 大規模修繕工事は、普通の新築工事と違って、人が居住しながら実施していく特長があります。
  • ですから、上手に工事を進めていくための経験やノウハウが必要であり、豊富な実績をもった業者の方が良いと思います。

同規模の工事を元請としてどの程度こなしているか

  • 重要なキーワードは「元請として」です。大規模修繕工事の難しさは、上記のとおり「人が住みながら行う工事」なので、多くの居住者の協力が必要であり、そのためには元請としての会社や監督の力量が大きく左右します。

規模・階数・工事内容・エリア

  • また、戸数や階数のような規模に応じて、工事中に発生するトラブルも様々なので自分たちのマンションの規模や実情に近いマンションをどの程度こなしているかも評価の基準になります。

信用性

工事の途中で倒産したら困る(完成の保証)

  • 工事会社の経営状況がよくなく、工事の途中で倒産されたら困ってしまいます。
  • 契約の際には、工事の完成を保証する「履行保証会社」を保証人としてつけて契約しておけば何とか完成はしますが、やはり健全な経営状態の会社に発注するべきです。
  • 私の場合は、帝国データーバンクの点数や経営事項審査結果通知書で会社の内容を確認することにしています。

完成後の品質保証能力

  • 工事が完成しても、契約や保証期間により1年、2年、3年、5年、7年、10年と定期的な瑕疵点検とそれに対する保証工事などが付いて回ります。
  • ですから、工事完了後も長い間面倒を見てもらうためにも会社の経営状態が良い会社に発注する方が安心です。

担当者の人柄

大規模修繕工事は、居住しながらの特殊な工事

  • 何度も申し上げますが、これは大規模修繕工事の特徴です。
  • 居住者に協力してもらわないと工事が円滑に進みません。
  • そのためには、居住者と良好なコミュニケーションが取れる現場監督が絶対必要で、これが新築工事とは大きく違うところです。

居住者への配慮が必要

  • 工事期間中に居住者が受ける制約は「ベランダが使えないので洗濯物が干せない。」、「窓を開けることができない。」、「エアコンが使えない。」、「外出できず、家にいなければならない。」などがあり、極度のストレスを感じる場合があります。
  • そのようなとき、居住者からの苦情に親身になって対応することができる現場監督がいるといないでは、工事の進行に大きな影響がでます。

まとめ

  1. 大規模修繕工事の工事業者には、元請としての実績(工事数の多さ)、経営状態の良さ等が必要。
  2. 大規模修繕工事は、「人が居住しながらの工事」となるので、居住者と良好なコミュニケーションが取れる人柄のよい現場監督が必要。

次は建設業界の体質についてです。