2-3.修繕仕様の決定

設計事務所が正式に決定したのでいよいよ本格的な作業の開始となります。

建築士法の改正を受けて、設計監理の委託契約を締結するには契約前に管理建築士から「重要事項説明」を受けて契約する必要がありますので、理事長がその説明を受けて正式に契約を締結しました。

次に基本的な設計プランを提示してもらいますが、その前に追加で現地調査を実施することになりました。
理由は、管理会社が昨年実施した「建物診断及び報告書」に基づいて、基本的な仕様を考えていましたが、詳細な設計を行うには、上裏(ベランダの天井)の中性化試験塗膜の付力試験のデーターが不足しているとのことでした。

設計事務所による追加の調査を経て、「調査報告書」と「基本設計仕様書」が出来上がります。私たちは、上記書類の説明を受けて、現在の建物の状況と修繕が必要な箇所の確認を行います。
そして、その後に各仕様についての設計価格の提示を受け、修繕積立金の残高や昨年作成した長期修繕計画とも照らし合わせながら最終仕様を決めていきました。

築12年でもっともポピュラーな大規模修繕工事ですが、屋上防水は比較的状況が良いので部分補修とし、住民から要望が出ていた「エントランスのバリアフリー化」、「ゴミステーションの改善」、「自転車置場の改善」などを予算に組み込むこととしました。

私たちのような35世帯の小規模マンションでは、一般的に第1回目の大規模修繕工事の予算は100万円/戸といわれていますが、今回は以上のような改善工事に結構お金がかかりそうなのでもう少し多目の予算を取りました。
概略仕様と予算が決まったので、定期総会において議案化して承認をもらうことにしました。

総会議案書案の作成は重松マンション管理士事務所の担当ですが、そちらは当然お手のものです。総会は全員一致で難なく承認されたました。

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▲昨年改正された建築士法に則り、管理建築士の方から「重要事項説明」を受けました。
1級建築士の資格を証明するコピーを提示して、契約書の内容を読みあわせる形で説明していました。
理事長は、契約内容を確認しながら説明を聞いていましたが、長年使用されている様式の契約書とのことで特に問題はないようです。

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▲設計前の再調査は、私の自宅を含めて3件の住戸に協力してもらいました。
この写真は、タイルの浮きの状況をパルハンマーで調査しているところですが、この後に上裏の中性化テストや塗膜の付着力テストも行いました。
予想以上に中性化が進んでいる場合は、コンクリート下地補修の仕様も検討しなおす必要があります。
また、塗膜の付着強度が不足していると、既存塗膜の上から新規の塗装をかけることが難しいので、既存塗膜を剥離して施工する必要があります。
築12年の私のマンションでは、開放廊下の天井面の中性化が予想よりも進んでいることが判明しましたが、基本的な設計仕様には特に影響なく実施できそうです。

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▲設計事務所から提出を受けた書類です。
調査結果報告書、基本設計仕様書、設計価格一覧表などです。
各部位の修繕仕様についてはハイクラス、一般仕様、エコノミー仕様の3通りに分類して価格設定がされています。
また、そのように分類できない部位もあります。
仕様の決定は難しいところですが、管理組合の希望と修繕積立金の残高、次の大規模修繕工事の時期などを総合的に判断して決めていくことになります。
今回は、自転車置場ラックやゴミボックスのカタログ、エントランスのバリアフリー化の図面なども一緒に見ながら検討しました。

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▲打合せ風景
修繕委員会の委員長と理事長です。

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▲私のマンションのエントランスです。
一見ゴージャスには見えるのですが、階段のバランスが悪く歩きにくいことと、左に見えているスロープの勾配が急で車椅子も通ることができず、一体何のためにあるのか良くわからないと不評です。
現在1/5程度の急勾配を少なくとも1/8までには改善したいと考えています。

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▲現在のゴミステーション
エントランスのすぐ隣に設置されていてみっともないことや、カラスよけの網をかぶせる程度ではカラス対策も不十分です。
また、2〜3階の居住者からは、夏はにおいの問題で苦情も出ています。
市の指導で場所を変更することはできませんが、開閉フタのついたアルミ製のゴミボックスを設置したいと考えています。

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▲雑然とした自転車置場
現在あるラックは幅が狭くて自転車の出し入れがやりにくいと不評です。
結局、良く利用する人はラックではなく平地においてしますので人の通行などに支障をきたしています。