このページでは、大規模修繕工事の全体的な流れを説明しました。
下記がスライドに記載した大規模修繕工事の「基本的な流れ」です。
大規模修繕工事の基本的な流れ
マンションによって、全て状況が違いますので、全てがこのとおりに進むとは限りませんが、大まかな流れは理解してもらえました。
私のマンションは、「設計監理方式」で進めることにしました。
管理組合の発意
- 長期修繕計画書、管理会社の助言、住民の要望などにより「大規模修繕工事の実施」を確認します。
調査診断
- マンションによっては、既に調査や診断が完了している場合もあります。この事例では、詳細な建物調査や診断をやっていない場合のマンションです。
- 具体的な調査をしないで、いきなり大規模修繕工事を実施するということは普通はありません。工事の優先度などをきちんと把握して行う必要があります。
- この作業は専門家でないとできませんので、普通は管理会社や専門のコンサルタント(設計事務所等)に依頼します。
基本計画及び長期修繕計画
- 建物診断を実施した後、必要な修繕時期や修繕方法を決定し、最新の長期修繕計画を作成します。
修繕設計(仕様決定・資金計画)
- 大規模修繕工事の細かな仕様を決定し、そのための概算工事予算を算出します。
- そこで、必要な金額が分かりますので、修繕積立金の残高と照らし合わせ、必要に応じて借入れや一時金の検討も行います。
見積採取・業者決定
- 管理組合の方針や予算が確定したら、いよいよ工事業者の選定になります。
- 一般的には、専門新聞による公募が多いことを説明しました。住民の方の推薦や紹介による工事業者を選ぶ場合もありますが、何かと誤解やトラブルの元になる場合があるので、私は「公募」を勧めます。
総会決議(金額・発注先の承認)
- 業者と発注金額が決定したら総会で承認をもらいます。
- 多くの場合、年1回開催する通常総会の時期とはタイミングが合わないので臨時総会を開催して承認をもらうようになります。
工事開始(開始前の住民説明会→着工)
- 居住者の負担が少ない春工事(1月着工)や秋工事(9月着工)などを説明しました。
- また、大規模修繕工事の際は、居住者の協力が欠かせないので、着工前に必ず「住民説明会」を行います。
定例会議・検査・承認事項
- 工事期間中には、設計事務所、工事業者、管理組合などがそれぞれどのようなことを行うかを説明しました。
完成引渡し・書類整備
- 工事が完了したらどのようなことを行うのか。
- 引渡しとはどのようなことで何をするのか等を説明しました。
まとめ
- 大規模修繕工事には、お決まりの進め方がある。
- しかし、マンションによって事情が違うので、工事業者を選定するまでの流れは、様々な選択肢がある。
次は、大規模修繕工事の発注方式の説明です。